真珠の歴史-和珠の来た道とゆく道について真珠の歴史はとても古いものです。真珠とはそもそも天然の貝の成分から生成されるものですので、世界各地で環境や条件が整い次第ごく自然に、私たちの前にその姿を現してきました。とは言っても悠久の大自然が時間をかけて作るものですから、人が手にできるケースはとにかくまれであり、いつの時代でも貴重な宝として細々と採取されていました。文明の発祥の地ではどこでも真珠を宝として扱い、調査や記録によりエジプトでは紀元前3000年、中国では紀元前2000年もの昔からその影が見え隠れします。貝殻由来の天然成分ですから飲用にすることもあり、溶かして薬にしてクレオパトラも重宝したと伝えられるほどです。 解熱作用があり、日本でも薬として使用されてきました。 海外に出向く際、日本という国を象徴するぴったりの品として、ことさら「和珠」がおすすめされるのはこういう背景があるからなのかもしれません。世界中で産出される真珠ですからどの国の人もその希少性はすでに知っている、そこに日本独自の厳しい自然が育てた和珠をあえて贈る行為は、日本をよく知らないかもしれない相手の方にもきっと印象深く届き、互いの国や環境に思いが及んで話を紡ぐ助けともなってくれるはずです。 |